
ピオーネ②
秋の味覚といえば…②
さて、今回はセゾンファクトリーがいつもお世話になっている
果物農家さんの農園にお邪魔しました!
前の回でご紹介した、ピオーネを栽培している農家さんです。
山形県高畠町二井宿地区に、ぶどうを栽培している園地があります。
セゾンファクトリー本社工場から車で20分ほどの距離です。
ぶどう畑のまわりは田んぼなので、その周りを流れる水路から
ジャバジャバと水が流れる涼しげな音が聞こえてきました。

撮影日はまさにぶどうの最盛期!!!(10月初旬)
一歩ハウスに足を踏み入れると、甘く、濃厚なぶどうの香り…

この日は天気が良く、ぶどう棚からの木漏れ日が
たわわに実ったぶどうを照らし、
まるで宝石のようにきらきらと輝いていました。
驚くのはぶどうの大きさ!
大人の男性でも片手でつかみきれないほどの大きな房。
ぶどう一粒の大きさは500円玉ほど!

実がパンパンに詰まって収穫を今か今かと待っているかのようでした。
日光をたくさん浴びたぶどうほど甘くなるんだそう。
だからこんなにあまーい濃厚な香りが漂っているんですね!
きっとこのぶどう、おいしいに違いない。
早く食べたい!
いや違う違う!私はぶどう狩りに来たんじゃない!
欲望を我慢しつつ、本来の目的である農家さんから
ピオーネのことを色々教えてもらいました。
良質なぶどうは、ぶどうの実にハリがあるものだそうです。
密度もきちきちに詰まり過ぎず、スカスカ過ぎず、が良いとされています。
そのために栽培中に実の剪定を行います。
実の付き具合、育ち具合を考えながらバランスの良い形になるように
剪定するのもプロの技術なんですね。
見よ!この美しいカタチ!!!

ちなみにぶどうの皮についている白い粉のようなものは
「ブルーム」と呼ばれ、果実を雨や病気から守る役目をしています。
さらに、果実の水分が蒸発する役割も担っているんだとか!
また、収穫のタイミングも非常に気にかけているそう。
ぶどうは追熟を行うことができない果物のため、
収穫する際はぶどうの熟度を見極めて行います。
ピオーネは、皮の色が真っ黒な方が熟しており、
甘くコクがある味になります。
薄赤い色であれば、まだ若く、もう少し樹上で熟す必要があるそうです。
充分に熟すとぶどうの軸がぼろぼろになり
自然と実が軸から離れていきます。
ぶどうを食べようと軸を持ち上げた瞬間に
実がごろごろ落ちた経験はありませんか?
これは、ぶどうが充分に熟したサインなんです!
若いぶどうはハリがあり、
皮を剥くと果汁がはじけてぷりぷりしたおいしさがありますが、
熟したぶどうも深みのある味になって
これはこれでまた違った味を楽しめます。
ぶどう農園さんからたくさんお話を伺ったところで、
早速工場に行き収穫したピオーネでジャムを製造していきます!
農家さん、ありがとうございました!!!

またお邪魔しまーす!
さて、セゾンファクトリー本社工場へ戻ってきました!
セゾンファクトリーの工場は、
以前の「おいしいはなし」でもお話したように、小さな厨房のよう。
家庭でジャムを作るような工程で
セゾンファクトリーの製品たちが作られています。
生のピオーネを使用しているため、加工は皮をむくところからスタート!
まずはピオーネをざぶざぶと洗っていきます。

それからさっと湯剥き。

熟練のスタッフが、一粒一粒丁寧にピオーネの皮をむいていきます。

丁寧に皮を剥いていくと、
ちゅるりん
とキラキラした緑色の宝石が顔を出しました。

剥いた皮も余すことなく使います。
そう!ジャムの美しい色はこの皮を煮出して色付けしているんです!
ここからジャム仕込みにバトンタッチ。
セゾンファクトリーのジャムを作り続けて
この道約30年の大ベテランスタッフによる
ピオーネジャム作りが始まりました。

大きな釜で一気に仕込んでいきます。
(といっても一般的な工場に比べたらとても小さい方ですが…)
およそ1時間でピオーネジャムが完成しました!
ここから瓶詰めしていきます。
なんと手作業!!!
丁寧に手詰めしていきます。

出来立てのピオーネジャムはまだドロドロ、
というかサラサラの液体です。
これを瓶詰めしてから冷却することで、固まっていきます。
実がごろごろと入ってるので、
1つひとつ果肉の量が均等になるように調整しながら充填していきます。
これもなかなか難しい作業。
現場のスタッフは手際よくこなしていきます。

瓶詰めをして、キャップを閉めたら冷却して完成です!
農家さんが大切に育てたおいしいおいしいピオーネがジャムになりました!
みずみずしい果汁と、肉厚の果実感じるぶどうを洋酒で香りづけして、
大人のジャムに仕上がりました。
これまた冷やしてそのまま食べてもおいしいんです…
みなさんもぜひ、まずは一口そのままお召し上がりください!

高畠の秋のぶどう畑の風景をイメージしながらお召し上がりいただくと、
もっとおいしくなるはず…(たぶん)
さて、みなさんにとって秋の味覚といえば…?
Photo:カメラの人
Text:おらえのばっち子