
ラ・フランス①
甘く滴る蜜、ラ・フランス①
ここ、山形県高畠町はフルーツの里。
ぶどう、りんごなど盛んに栽培されています。
その中でも最も有名なのが「ラ・フランス」
以前の「おいしいはなし」の中で高畠町には
「ラ・フランス通り」があるというお話をしたかと思いますが、
道の名前になるほどに高畠町では栽培が盛んです。

ところで、「ラ・フランス」とは何ぞや?
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ラ・フランスとは西洋梨の一種で、
ゴツゴツとした形とおしりが大きく、頭が小さい形が特徴です。
収穫時期は10月下旬~11月初旬ごろ。
収穫後は追熟を行い、食べごろになるまで待ちます。
(今年は台風の影響もあり、セゾンファクトリーがお世話になっているラ・フランス農家さんでは10月中旬に収穫をしました。)
食べごろになると、実がとろりととろけるほど柔らかく、
果汁がじゅわっとしたたります。
追熟したラ・フランスは香り高く、
その上品な香りから「果実の女王」ともよばれているほどです。
セゾンファクトリーがお世話になっている
ラ・フランス農家さん、「三鷹洋梨園」は、
高畠町の中でも最も古い歴史を持つ農家さん。

なんでも、樹齢100年の古木があり、 いまだに元気に実を実らせているんだとか!

そんな、長い歴史を持つノウハウ豊富な農家さんが
大切に育てたラ・フランスはほんとうにおいしい!
あふれる蜜と芳醇な香り、そして爽やかな甘み、なめらかな舌触りは、
まるでスウィーツを思わせるほどの濃厚な味わいです。

さて、おいしいラ・フランスを栽培するために
三鷹洋梨園さんではこんなことに気を付けているそう。
1.雑草を活かす!

これは「草生栽培」といいます。
クローバーなどの葉っぱであえて刈り取らずに地面を覆うことで
園地の土の保湿をしてくれます。
まるでお肌のようですね。生き物みな保湿が大事。
(最近本当に痛感しています…。)
雨の多い時期は逆に除草して排水を良くし、根腐れを防ぎます。
また、雑草の根が伸び、土を粉砕してくれることで
土がふかふかになり、酸素や水を保ちやすくなるんだそう。
私は7月ごろに園地へお邪魔しましたが
その時期は雨が少ない季節だったので
クローバーなどが生い茂っていました!
2.袋

ラ・フランスに袋をかぶせて栽培する方法を「有袋栽培」といいます。
ラ・フランスの帽子のようなイメージです。
これを果実が硬く、小さいうちに一つ一つ袋をかけていきます。
広い園地で栽培している木の一つひとつの実に
手作業で袋をかぶせると考えると…
本当に気が遠くなる作業です。
でも、おいしさをお届けするために、手間は惜しみません。
一生懸命大きくなろうとする果実の生命力は、
そんな農家さんの情熱が伝わっているかのよう。

ラ・フランスは皮が非常に薄く、繊細な果物です。
傷からラ・フランスを守るために袋をかけていますが、
それだけではなく、減農薬栽培にもつながるのです。
というのも、果実に袋をかぶせることで
果実に直接農薬が散布されるのを防ぐから!
そんな、手間暇と愛情たっぷりに育てられたラ・フランスだから
おいしいに違いない…
また、通常収穫する際は籠を使いますが、
三鷹洋梨園さんでは籠の代わりにエプロンで
傷がつかないようにやさしく包みながら収穫します。

収穫したらセゾンファクトリー本社工場で追熟。
加工に適した熟度になるころには
社屋にラ・フランスの香りが漂ってきます。

さて、もう間もなく食べごろ。
セゾンファクトリーでは、この素晴らしいラ・フランスを
さらにおいしくするべく、ジャムに仕上げます!
工場ではどのように加工されているのでしょうか?
次回はラ・フランスの製造工程を追っていきましょう!
お楽しみに!
Photo:カメラの人
Text:おらえのばっち子